《4》拠点と後背圏の抽出方法

【メッシュデータの採用】
  • 全国を一律の方法で拠点性を評価する方策として、メッシュデータを活用することとしました。メッシュとは、地表面を緯度・経度によって画一的に区切った区画で、面積もほぼ一定です。
  • 今回の分析で用いるメッシュのスケールは、拠点候補のまとまりが適切に抽出できる、1kmメッシュを採用することとしました。
【拠点性を従業者数で評価】
  • 拠点が有する都市機能には、最寄生活機能、日常生活機能、広域的な機能等がありますが、実際に立地している機能は、拠点によって様々です。例えば子育て施設のように、どの地域にも存在する施設も含まれている。また、今後の人口動態によっては、施設の撤退も発生し得るため、立地する施設数の大小で拠点を評価することは困難です。
  • 一方、都市機能を支える担い手として従業者がいます。従業者数の分布をみると、地域生活拠点等は、都市の郊外部にも配置されており、人口密度は、周辺地域と比較すると相対的に高い傾向にあることが分かっています。この状況を勘案し、都市機能の集積している状況を評価する(=拠点を抽出する)指標として、従業者数を活用することとしました。
【メッシュデータを活用した拠点候補の抽出方法】
  • 周辺の中で従業者数が相対的に多いメッシュを抽出する方法として、あるメッシュに隣接する8つのメッシュのうち、最も従業者数が高いメッシュと結ぶことを繰り返し、ピークを探索する方法で拠点候補を抽出しました。

図4 拠点の抽出方法のイメージ
図4 拠点の抽出方法のイメージ

【後背圏の範囲の判定方法】
  • 前述した拠点の抽出過程において、拠点候補のメッシュと結ばれたメッシュの範囲を「後背圏」としました。

図5 拠点の抽出方法のイメージ
図5 拠点の抽出方法のイメージ

注)図中の数字は、各メッシュの従業人口

【拠点の抽出】
    • この方法で、拠点の候補を全国で約19,000箇所選定しました。
      (拠点候補の全リストについては《7》参考資料をご覧下さい)
    • これらの候補のうち、以下の条件をいずれも満たす約4,500箇所を、暫定的に拠点として掲載しました。
      -後背圏メッシュの数が10以上
      -拠点候補メッシュの従業者数が800人以上